予備知識その4 痛み

東洋医学では痛みの原因は流れの悪さと考えます。その事を「不通則痛 不栄則痛」と表現します。その痛みは、関節痛でも神経痛でもリウマチでも同じです。違う病名でも原因が同じなら、同じ漢方薬で治療します。

体内を流れるものは気・血・津液ですので、漢方薬の痛み止めはこれらの流れや量を改善する事で痛みを治します。

気の滞り

気が滞る事を気滞と言い、張った様な痛みがあります。痛む場所が移動したり、痛みの強さが変わります。またストレスで痛みが悪化します。
香りの強い生薬が入った漢方薬で気の流れを整えて痛みを治します。

津液の滞り

津液が滞る事を水毒や湿と言い、重だるい痛みになります。湿度が高い梅雨時期などで痛みが悪化します。
水を捌いておしっこに出す漢方薬で要らない水を追い出して痛みを治します。

熱による痛み

痛風や、関節が赤く腫れているリウマチの初期は、患部に熱を持っています。
こんな時は患部を冷やして腫れを引かせる漢方薬を使います。

冷えによる痛み

冬になると痛む、クーラーで痛みがひどくなるという時は患部が冷えて血流が悪くなっています。
こんな時は患部を温めて血液の流れを良くする漢方薬を使います。

栄養不足による痛み

年齢を重ねると胃腸の力が弱ってきて、吸収力が落ちて、筋肉が痩せてきます。そうすると血液の流れも弱くなり、慢性的な痛みになります。
こんな時は、胃腸の力を付けて、筋肉を養い、血液の流れを良くする漢方薬を使います。

 

基本的に痛みは体が治ろうとする時の治癒反応です。体が治る為には血液の流れがよくなければなりません。漢方薬は血液の流れを良くして治す力をバックアップします。
しかし、西洋医学の考え方では痛みは炎症と考えます。炎症は血管が拡張して熱を持っていますので、西洋薬の痛み止めの多くが、血管を収縮させて熱を下げる作用があります。しかし体は組織を修復させる為に血管を拡張して血液を集めていますので、西洋薬の治療は治癒の方向とは逆になります。痛みは抑えられても原因を治す事は出来ません。西洋薬の痛み止めは、その場しのぎに使うのはいいのかもしれませんが、完治させる事は出来ません。



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